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2007年6月20日

全自動ヒト遺伝子検査システムを開発
国際バイオEXPOに出展(6月20~22日)


アークレイ(京都市中京区)は、検体のDNA抽出から遺伝子検出までを1台で実現する全自動ヒト遺伝子検査システムを開発し、「第6回国際バイオEXPO(東京ビッグサイト)」にて6月20日から試作機を出展します。

現在、遺伝子型を判定することによって、その人にあった薬剤を選択したり、投与量を決定したりすることによって、副作用の少ない医療を実現する、いわゆる「オーダーメイド医療」の研究が急速に進んでおります。こういった「投薬前診断」の市場は10年後には1500億円にも上るといわれていますが、実用化に至っているとは言い難い状況です。その理由として、アークレイは以下のような課題があるためと考えています。
・検体の前処理(DNA抽出や精製)操作が煩雑な上、技能を必要とするため手間がかかる
・時間がかかる(半日~一日)
・測定費用が高価
・測定したい項目が少ない

アークレイは、長年の臨床検査機器・体外診断医薬品の開発で培ったノウハウを活かし、これらの課題を解決した、より実用的な全自動ヒト遺伝子検査システムを開発しました。
パック化された試薬で「検体前処理」「試薬の調製」が不要
② 「DNA抽出」→「遺伝子増幅」→「遺伝子型判定」を1台で全自動化
③ 測定時間を4検体で80分に短縮
④ 試作機のサイズは450(W)×400(D)×380(H) mm とコンパクト

コンパクトサイズながら「検体のDNA抽出」から「遺伝子型判定」までを1台で高速に実現できるのが最大の特長です。発売時期に関しては未定ですが、装置価格、ランニングコストを抑えて提供させていただく予定です。

第一弾として、「投薬前診断」が必要とされる以下の薬剤の代謝能を推測するための試薬を提供する予定です。また、その他の測定試薬の開発も受託予定です。
「糖尿病治療薬」「結核治療薬」「乳がん治療薬」など
例えば「抗がん剤」の治験で、被験者の遺伝子型を測定しておき、薬の効き具合や副作用の程度と照らし合わせるなどして治験データを累積し、医薬品開発などに役立てることができます。

遺伝子型を迅速・簡便に判定できるこのシステムを、まずは研究分野(製薬会社や大学病院など)にて発売する計画です。アークレイは本システムによって「オーダーメイド医療」の研究発展・普及に貢献します。

遺伝子測定システム完成モデル図

国際バイオEXPOの開催予定は次の通りです。
・日時 2007年6月20日~22日 10:00~17:00
・場所 東京ビッグサイト
※アークレイは「DNA/RNA エリア41-33」に展示します