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2008年12月10日

世界最速※の測定時間48秒!グリコヘモグロビン分析装置
アダムス™ A 1C HA-8180


臨床検査機器・体外診断用医薬品メーカーのアークレイ株式会社は、新しいグリコヘモグロビン分析装置「アダムス™ A1C(エーワンシー) HA(エイチエー)-8180」を12月16日に発売します。糖尿病の重要な検査項目である、HbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)1)の測定時間を大幅に短縮しました。
現在、糖尿病の脅威2)は全世界で拡大しています。日本では「糖尿病が強く疑われる人」が約820万、「糖尿病の可能性を否定できない人」が約1,050万人おり、合計で約1,870万人の糖尿病患者がいると推定されています。
HbA1Cは、1981年にHPLC法3)による専用測定装置をアークレイ(当時:株式会社京都第一科学)が全世界で初めて開発して以来、糖尿病のスクリーニング検査や血糖管理指標として広く認知されている検査項目です。2008年より生活習慣病の予防を図ることを目的として義務付けられた、「特定健康診査・特定保健指導」の検査項目には糖尿病関連の重要項目としてHbA1Cが組み込まれており、検査数の増加と共に測定精度とスピードの向上が望まれていました。
HPLC法による新しいHbA1C測定装置「アダムス™ A1C HA8180」は、従来機種の高い測定精度に加えて、測定時間を大幅に短縮し、48秒/検体を実現しました。さらに検体撹拌機能を標準搭載、操作パネルには大型カラーLCDを採用し、日本語表示、試薬残量表示などにより操作性を向上、プレフィルタの交換不要などによりメンテナンス作業も低減しています。また、HbA1C測定値の国際標準化4)にも対応し、測定結果には2つの単位に基づいた測定値が併記されるようになっています。
アークレイはHbA1C測定装置のパイオニアとして、大病院・検査センターから中小病院・開業医・クリニックにまで、これからも幅広いニーズに対応できる商品を提供していきます。

<主な特長>

●高精度&高速測定
HPLC法による高精度測定を、48秒/検体で行います。
従来機種(90秒)と比較して、ほぼ半分の測定時間を実現しました。
●イージーメンテナンス
カラムとプレフィルタを一体化し、従来機種で必要であった プレフィルタの交換が不要になりました。これにより、交換 作業が5分の1になります(10日に1回→50日に1回)。
●検体撹拌機能
検体撹拌機能を標準搭載しています。血球沈降による
測定結果の変動を回避します。
 
※HPLC法による測定装置に限ります(アークレイ調べ)。

語句説明

1)HbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)

 

赤血球中のヘモグロビンとブドウ糖が結びついて生成されます。採血時間の影響を受けずに過去1~2ヶ月の平均血糖値を表すため、糖尿病診断から治療までの広範囲な領域で、血糖コントロール指標として重要な検査項目に位置づけられています。

2)糖尿病の脅威
 

糖尿病は今や世界の成人人口のおよそ5~6%となる、2億4600万人が抱える病気です。年間実に380万人以上が糖尿病の引き起こす合併症などが原因で死亡しています。これは世界のどこかで10秒に1人が糖尿病に関連する病で命を奪われている計算となり、AIDSによる死者に並ぶ数字です。日本では、40歳以上の3人に1人が糖尿病または糖尿病予備軍である事実が、2006年の国民健康・栄養調査で発表されました。
※このように拡大を続ける糖尿病の脅威を踏まえ、2006年12月20日、国連は国連総会義で、「糖尿病の全世界的脅威を認知する決議」を全会一致で可決し、11月14日を「世界糖尿病デー」として指定しました。"Unite for Diabetes"(糖尿病との闘いのため団結せよ)というキャッチフレーズと、国連や空を表す「ブルー」と、団結を表す「輪」を使用したシンボルマークを採用。全世界で糖尿病抑制に向けたキャンペーンを推進しています。本年も11月14日には全国各地でブルーライトアップが行われ、京都では教王護国寺(東寺)五重塔が青い光に包まれました。

3)HPLC法(高速液体クロマトグラフィー法)

 

HPLC法(High Performance Liquid Chromatography)は、多くの成分からなる混合物を分離し各成分の比率を求める方法であり、国内のHbA1C標準測定法でも採用されています。アークレイは1981年に世界初のHPLC法を用いたHbA1C測定装置を開発し、現在も多くの診療現場で商品をお使いいただいています。

4)国際標準化

 

世界の地域ごとに異なる測定単位を標準化し、同じ診断基準を設けようとする国際的な動きです。国際学会(ADA/EASD/IFCC/IDF)の合意により2007年6月に発表された、HbA1C測定の国際標準化に関するコンセンサス・ステートメントの内容を受け、日本臨床化学会の糖尿病関連指標専門委員会より公式な見解が発表され、HbA1C測定値の臨床への報告はIFCC値(mmol/mol)により行うが、日本では従来JDS値(%)が使用されてきた事実を鑑みて、JDS 値(%)を併記することとされています。
HA-8180は、上記見解を反映して測定結果にIFCC 値(mmol/mol)と日本表示JDS値(%)両方を表示し、国際標準化にいち早く対応します。


名称

アダムス A1C HA-8180

発売日

2008年12月 16日(火)

仕様

測定原理  逆相分配陽イオン交換クロマトグラフィー
測定対象 全血または溶血検体
測定項目 HbA1C(ステイブルHbA1C)、HbF
測定範囲 HbA1C:3.0~20%、HbF:0.3~5%
使用試薬 溶離液80A、溶離液80B、溶血・洗浄液80H
使用カラム 使用カラム カラムユニット80
処理速度 48秒/検体(検体撹拌時間を含む)
電源 AC100V~240V
外形寸法 530mm(幅)×530mm(奥行)×530mm(高さ)
重量 ①本体:約38kg ②サンプラーユニット:約4kg

販売価格

7,350,000円(税込)

この商品は「アークレイマーケティング株式会社」(*)が販売します。
*「アークレイマーケティング株式会社」はアークレイの日本国内の販売統括会社です。