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2011年12月22日

尿中有害金属測定の大幅な期間短縮が可能に
米国アンチエイジング医学会2011にて研究成果を発表

臨床検査機器・体外診断用医薬品メーカーのアークレイ株式会社(本社:京都市中京区)は、尿中の水銀を 簡易に測定する方法を開発し、その研究成果を米国アンチエイジング医学会1)2011(12月8日~10日 ラスベガスで開催)にて発表いたしました。体内の有害金属を排出する治療において大幅な検査期間の 短縮が期待できる研究成果に対し、米国のアンチエイジングクリニック2)の多くのドクターに興味を持って いただきました。

近年、有害金属を摂取することによる慢性的な健康被害が問題となっています。健康と美容を保つことを 目的としたアンチエイジング医療では、体内から有害金属などの毒素を排出する治療が行われており、 そのひとつとして「デトックス(解毒)3)」がよく知られています。有害金属を排出する治療の効果確認のため の主な検査として、尿中の重金属量の測定が行われていますが、この検査では専門の検査機関(米国)に 尿を送って測定する必要があり、検査結果が得られるまでに1週間以上を要しているのが現状です。

アークレイは、今回開催された米国アンチエイジング医学会において、尿中水銀の簡易測定法についての 研究内容を発表しました。この測定法をクリニックで実用化すれば、患者様の尿を用いてその場で測定を行う ことができ、1週間以上かかっていた検査を1時間以内に完了することができるようになります。学会の当社 ブースにはアンチエイジングクリニックのドクターを中心とした約200名が来場され、研究内容に対して高い 関心を示していただきました。

今回発表した尿中水銀の簡易測定法は、アンチエイジング医療分野での検査だけでなく、従来の医療検査 ならびに機能性素材の効果判定などにも有効な役割を果たすことが可能です。これまで臨床検査システム 開発で培った技術を応用し、健康科学の他分野へも事業展開を行い、シナジー効果を発揮していきます。


米国アンチエイジング医学会2011米国アンチエイジング医学会2011

米国アンチエイジング医学会2011におけるアークレイブース


研究発表の概要

当社がこれまで進めてきた尿中有害金属の簡易測定に関する研究の成果を、米国アンチエイジング医学会 2011(12月8日~10日 ラスベガスで開催)にて発表しました。今回の研究発表では、北陸先端科学技術大学 院大学・高村禅教授、株式会社マイクロエミッション、銀座上符(うわぶ)メディカルクリニック・上符正志(うわぶ まさし)先生にご協力いただきました。

今後の展望

まずアンチエイジングクリニックを対象に、今回発表した尿中水銀の簡易測定システムの商品化を行います。 さらに、他の有害金属(鉛、カドミウム、ヒ素など)の測定項目ラインナップの充実、デトックスサプリメントの 開発およびその効果判定への適用などを考えています。それにより、アンチエイジングクリニック以外の 市場への展開も目指します。

語句説明

1)米国アンチエイジング医学会
1992年設立、正式名:The American Academy of Anti-Aging Medicine(通称A4M)。 105ヶ国 22,000人の会員で構成されています。2011年12月8日~10日にラスベガスで開催された第19 回学会には約5,000人が参加し、約300社の企業が出展しました。参加者はドクター、看護師、薬剤師など、 医療従事者およびサプリメントや医療機器関連メーカーの方が中心となっています。

2)アンチエイジングクリニック
アンチエイジング(抗加齢)を目的とした治療が行われるクリニック。治療内容は、デトックス、皮膚治療、 ホルモンバランス調整など、目的に応じて様々なケアが行われます。健康志向の高い方が、健康を保ち、 加齢に伴う健康への悪影響を抑制することを目的に来院するケースが多くなっています。

3)デトックス(解毒)
体内から毒素を出すことで慢性的な健康被害を回復し、健康な状態にすることです。具体的な方法として は、キレーション点滴(有害金属の場合)や、サプリメント摂取、運動療法などがあります。