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Special article about Arkray’s challenging project story

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PROJECT OUTLINE

動物用に特化した、よりよい製品を提供すること。 それが私たちの使命。

世界中で人気のイヌやネコ。ペットと暮らす人は増え続け、その飼育数は日本だけでも1800万頭を超えると推定される。「ペットも家族の一員」という考えが広がり、動物医療のニーズも高まる一方だ。

動物は言葉が話せないだけに、自ら症状を伝えることができず、客観的な検査データが診断に果たす役割は、とても重要であると言える。ところが、動物病院で従来使われていた検査機器や試薬の中には、獣医師が検査精度に疑問を持たれるものも存在していた。

そんな状況下、アークレイは、動物専用の検査機器や試薬を開発することを使命と認識。2011年、「動物専用の検査機器」という当社にとってほぼ未開拓の領域への挑戦を決断した。新たなプロジェクトを始めるにあたり、社内公募で志願者を集めて開発をスタート。2017年には、イヌ・ネコ専用の血糖測定器「thinka BS-7110」と、尿検査装置「thinka RT-4010」の発売を果たした。いずれも、ヒト用において培った独自の技術をベースに、あらゆる使用環境を想定して造り上げられている。

広く現場のニーズに応え、
動物医療の発展に寄与するために。

とはいえ、動物専用の検査機器・試薬開発は、単にヒト用で培った技術・ノウハウの水平展開を狙うものではない。もちろん既存の技術・ノウハウは最大限に活かすが、それ以外にも広く現場のニーズに応え、動物医療の発展に寄与することが目標だ。ブランド名は「think animal」を意味する「thinka(シンカ)」。そこには、動物の健康を“考え”、動物医療を“進化”させたいというアークレイの想いがこめられている。

プロジェクト開始当初から複数の製品開発が並行して進められ、2014年には第一弾として「イヌ フィラリア検査キット」を発売。春に飼い犬の9割以上が受けるという最もポピュラーな検査をワンステップで検査することを可能にし、動物医療に対する真摯な取り組み姿勢を市場に示した。2018年6月現在では、その他にネコ専用の検査キットも発売している。

種の垣根なく最先端の医療テーマに
挑み続ける未来に向けて。

同プロジェクトにおいては、イヌ・ネコの糖尿病、腎症などに精通した医療従事者と積極的に意見を交換し、ヒト用で培った技術や蓄積した医療情報を最大限に活かしながら、イヌ・ネコ用に作り上げた。臨床試験や行政機関への認可申請においても、参考とする先例がなかった事例もあり、パイオニアとしての難しさをつぶさに経験。その一つひとつを粘り強く乗り越え、成果へとたどり着いた。

中でも、世界初の補正機能を備え、高精度に血糖が測定できる手のひらサイズの動物用血糖測定器への反響は大きく、さらに、腎症のマーカーとなるUPC(尿中蛋白質・クレアチニン比)を一般的な尿検査の一項目として簡便・迅速に測定できる「RT-4010」は、発売直後から世界各国で大きな反響を呼び、想像以上の好評を得ている。

アークレイは、今後もヒト医療で培った技術・ノウハウを活かして「thinka」ブランドを拡充し動物医療界に貢献していく。また、将来的には動物医療の方からヒト医療へと逆発信できるような技術・ノウハウが生まれることがあるかも知れない。動物専用の検査機器や試薬の開発にも夢が溢れている。

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VOICE OF PROJECT MEMBER

商品に託したメッセージが、
動物医療を変えていく手応えを実感。

H.F(写真左)は2009年入社と比較的若い年次ながら、本プロジェクトの中心的役割を担っている。K.M(写真右)は海外で販売を早期に実現させるために尽力した。

H.Fは、入社以来、小型装置専用の試薬開発を担当。省スペースで簡単に使用できる小型装置は動物病院に納入されるケースも多く、自身が所属するチームのリーダーが動物専用装置の必要性を感じ、会社に提案したことが一連の開発の発端となった。そんな経緯から、H.Fは開発のスタート段階から参画。開発プロジェクトにおいて重要な役割を果たした。

「単なる技術の転用だけでなく、動物専用として使ってもらうための『スパイス』が必要でした。たとえば動物の尿検査は、これまで外部機関での分析が必要で時間も費用もかかっていた腎症のマーカー:UPC の検査を項目の一つに加え、治療ガイドラインに基づく病期ステージまで即時に分かるようにしました。特にネコは腎症が多く、重症化すると末期腎不全につながるため、早期発見・早期治療が必要です。これまでは時間と費用の点から気軽に検査を実施できませんでしたが、これを簡便化したことで、発売以来、広く市場に受け入れられているのだと思います。既存の技術を活かして商品コンセプトを練り上げ、市場にメッセージを打ち出していけることに、開発としても面白さを感じます」。

H.F(写真左)は2009年入社と比較的若い年次ながら、本プロジェクトの中心的役割を担っている。K.M(写真右)は海外で販売を早期に実現させるために尽力した。

動物医療各分野の第一人者たちと手を取り、
より多くのいのちを救いたい。

S.Y(写真右)は1989年入社。ヒト用の医療機器開発で培った確かな経験を動物医療に還元している。また、H.H(写真左)はプロジェクト途中からの参加だったが、大学病院の先生との共同研究で活躍。自身の想いを叶えるべくプロジェクトを推進中。

一方、S.Yは職歴が長く、プロジェクトが始まる前は学術部門に在籍。ヒト用の自社製品をお使いいただいている獣医師たちに「提供できる学術情報をもっと充実させたい」と感じていたところ、プロジェクトの社内募集があり、迷いなく手を挙げた。同プロジェクトにおいては、動物医療界における人脈構築や薬事承認に向けての行政機関との社外対応を担当。ほとんどゼロの状態から確かな成果を上げてきた。

「特に、動物医療に精通した方々と深いディスカッションを重ね、臨床の現場で真に求められている製品に仕上げることができたのは収穫でした。信頼関係を築けたことで、動物医療における様々な課題についてお話しいただき、ヒト用で培った我々の技術・ノウハウも活かしながら、共に課題解決に向けてのアイデアを練っていく環境が生まれています」。

途中からプロジェクトに加わったH.Hも、動物医療界における人脈構築に貢献した。特に動物用の尿検査装置については、大学病院の先生と共同研究を展開。

「他の腎症マーカーだけでは発見できない初期の腎症が、UPCで発見できる事例があることをデータによって立証することができました。こうした共同研究は、動物医療に貢献するという視点があって初めて獣医師の協力が得られ、実施できることだと考えています」。

S.Y(写真右)は1989年入社。ヒト用の医療機器開発で培った確かな経験を動物医療に還元している。また、H.H(写真左)はプロジェクト途中からの参加だったが、大学病院の先生との共同研究で活躍。自身の想いを叶えるべくプロジェクトを推進中。

世界中の治療が必要な動物たちのために
まだまだできることがある。

アークレイでの動物医療機器の開発は、まだ発展途上。ペットの健康を心から願う強い気持ちが、彼らの話しぶりから伝わってくる。

もちろん、治療を必要とする動物は日本だけでなく世界中に存在している。同プロジェクトも当初から世界中の動物医療への貢献を志向。K.Mは動物用尿検査装置を海外へ販売するための対応を担当した。

「海外には動物用検査システムに対する薬事規制が比較的少ない国もあり、数カ国で国内より先行発売することができました。また、動物用の検査機器は、海外では電子機器と同じ扱いとなり、広く一般的に使用された場合の安全性の規格が求められる国もあります。通常のヒト用製品の開発とは違う難しさがある中、各国の法規に合わせスピーディーな対応を目指しました」。

努力は実り、すでに10カ国以上で販売実績がある。

今後も、日本で、そして世界で。 動物医療の最先端でもアークレイの挑戦は続く。

アークレイでの動物医療機器の開発は、まだ発展途上。ペットの健康を心から願う強い気持ちが、彼らの話しぶりから伝わってくる。