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2008年5月13日

みかんエキスでコレステロール値を改善
メタボリックシンドローム予防に期待 第62回日本栄養・食糧学会にて発表



アークレイ株式会社は、β-クリプトキサンチン1)を高濃度に含むミカンエキスをメタボリック
シンドローム予備群のヒトが摂取することによって、血清総コレステロール等を有意に低下させることを実証し、メタボリックシンドロームに対して予防効果が期待できることを見出しました。
その研究成果を第62回日本栄養・食糧学会2)(5月2日~4日開催)にて発表いたしました。


研究の概要

アークレイは2006年6月より機能性素材事業に参入し、β-クリプトキサンチンを高含有した食品原料である温州みかんエキス「クリプトベータ(商品名)」について各種展示会を通じて、情報提供を行ってきました。
昨年の第28回日本肥満学会3)では「クリプトベータ」に豊富に含まれるβ-クリプトキサンチンが脂肪細胞の肥大を抑制し、さらに脂質合成を抑えることでメタボリックシンドロームに対して予防効果が期待できることを発表しました。

今回、β-クリプトキサンチン高含有温州みかんエキス「クリプトベータ」を含有する飲料を用いて、メタボリックシンドローム予備群のヒトに及ぼす影響に関して、アークレイ株式会社、(独)農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター 矢野昌充先生、京都大学大学院農学研究科 河田照雄教授との共同研究成果を第62回日本栄養・食糧学会(埼玉)にて発表を行いました。
本発表では、「クリプトベータ」含有飲料を摂取することで、総コレステロール値およびnonHDLコレステロール4)値が有意に減少することがわかり、メタボリックシンドロームや動脈硬化の予防および進展阻止に有用であることが示唆されました。
本研究結果の詳細について、ifia JAPAN 2008 /HFE JAPAN20085)(5月21日~23日、東京ビックサイト)において発表する予定です。

今後も、メタボリックシンドローム予防の観点より、近年、疫学調査を中心に種々の健康機能が見出されている「β-クリプトキサンチン」について、基礎的な作用機構の解明およびヒトでの飲用試験を通して、その有用性を追求してまいります。また、β-クリプトキサンチンを含む食品素材である「クリプトベータ」により、人々の健康な生活づくりに貢献していきます。


β-クリプトキサンチンを高含有するミカンエキスがメタボリックシンドローム予備群のヒトに及ぼす影響

佐々木貴生1)、河合博成1)、久保 基1)、矢野昌充2)、河田照雄3)
1)アークレイ株式会社・からだサポート研究所
2)(独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
3)京都大学大学院農学研究科 食品生物科学専攻 食品分子機能学分野

方法:
被験者 ウエスト周囲径が85cm以上で、血中総コレステロール、LDLコレステロールまたは中性脂肪のうち少なくとも 1項目が基準範囲を超える 40~64歳の男性 7名
被験食 ミカン風味飲料 90g/日 ( ミカンエキスを含む低粘性飲料 )
摂取量 ミカンエキスとして25g/日 ( β-クリプトキサンチンとして15mg/日 )
摂取期間 8週間
検査時期 摂取前、摂取4週後、8週後
検査内容 診察、理学的検査、血液・尿検査、等
結果:  

まとめ

βークリプトキサンチン高含有ミカンエキスを用いた飲料を摂取することで、総コレステロール値およびnonHDLコレステロール値が有意に減少した。
ミカンエキスはメタボリックシンドロームや動脈硬化の予防および進展防止に有用である可能性が示唆された。


語句説明

1)

β-クリプトキサンチン
β-クリプトキサンチンは温州みかんに特異的に含まれる成分で、α-カロテン、β-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、リコペンとともに、ヒト血液中の主要カロテノイド6種類の一つです。
他のカロテノイドに比べ、β-クリプトキサンチンの機能性についてはこれまで情報が少ない状況でしたが、(独)農業・生物系特定産業技術研究機構果樹研究所を中心としたグループの最近の疫学研究などを通じて、β-クリプトキサンチンの新しい様々な機能性が明らかとなってきており、糖尿病・肝疾患・動脈硬化・骨粗鬆症等の生活習慣病との関連も検討され、注目されている成分です。

2)

日本栄養・食糧学会
社団法人 日本栄養・食糧学会は、昭和22年5月2日に設立された学会で、栄養科学ならびに食糧科学に関する学理および応用の研究についての発表、知識の交換、情報の提供を行う事により、栄養科学、食糧科学の進歩普及を図り、わが国における学術の発展と国民の健康増進に寄与することを目的としている学会です。

3)

日本肥満学会
1980年に肥満研究会として発足し、単なる「肥満」と病的な「肥満症」の概念を明確に定義し、肥満症に対する基礎的及び臨床的研究の一層の充実を図ることを目的として活動している会員数約2,000名(2007年現在)の学会です。

4)

nonHDLコレステロール
(nonHDLコレステロール)=(総コレステロール)-(HDLコレステロール)の式で算出されます。この指標はトリグリセライド(TG)が食事の影響を受けやすく変動しやすいため、昨今、高TG血症の状況を判断するための安定した合理的な脂質管理指標として有用度が高くなっています。

5)

ifia JAPAN 2008/HFE JAPAN2008
ifia JAPANは2008年で第13回を迎える国内最大の食品素材/添加物展・会議で食品製造技術者のための展示会です。HFE JAPANは2008年で第6回を迎えるヘルスフードエキスポで、健康・機能性素材サプライヤーが集結する商談展です。今年も5月21日~23日の3日間、東京ビックサイトで開催されます。


研究の背景

アークレイは、厳しい食事制限下にある生活習慣病患者や健康を意識する方々に様々な商品を提案し、物質面と精神面の両方をケアすることでQOL(Quality Of Life = 生活の質)の維持・向上に貢献する活動を進めております。また、2006年6月には機能性素材ビジネスへの参入を果たし、本事業を通じて、自社技術にとらわれず、幅広く社会に貢献する活動を進めております。
「平成18年国民健康・栄養調査」(厚生労働省)の中で、40~74歳の中高年男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の該当者か予備群であることが公表されました。また、本年4月からは国の生活習慣病対策として、メタボリックシンドロームに着目した特定健診・保健指導が全国で開始され、ますますメタボリックシンドロームに注目が集まっています。
このような背景において、当社はこれまで柑橘類に含まれる機能性成分についてメタボリックシンドロームに関する研究を進めてきました。特に日本人になじみ深い「温州みかん」中の機能成分である「β-クリプトキサンチン」に着目し、種々の疫学研究結果、脂肪細胞に対する基礎的研究(昨年の肥満学会にて発表)をベースに、食品素材「クリプトベータ」を開発し、各種展示会などを通じて発表してまいりました。
このたび新たに、「クリプトベータ」を含有する飲料を用いて、メタボリックシンドローム予備群のヒトに及ぼす影響に関して、アークレイ株式会社、(独)農研機構・生研センター 矢野先生、京都大学大学院農学研究科 河田教授との共同研究成果を第62回日本栄養・食糧学会(埼玉)にて発表を行いました。


今後の展望

当社では、日本栄養・食糧学会の詳細について、ifia JAPAN 2008/HFE JAPAN2008
(5月21日~23日、東京ビックサイト)において下記の通り発表する予定です。

・日時 2008年5月22日(木)16:00~16:50
・場  所 HFE JAPANセッション会場 (東京ビッグサイト)
・タイトル アークレイオリジナル 抗メタボ素材と抗糖化によるアンチエイジング素材のご紹介
・発表内容 温州みかんエキス「クリプトベータ」の抗メタボ作用について基礎研究からヒト試験 結果までの最新情報と、最近の抗糖化によるアンチエイジング市場の動向を踏まえた 混合ハーブエキス「AGハーブMIX」の活用事例をご紹介します。

■機能性食品素材サイト商品案内はこちら http://ebn.arkray.co.jp/