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2010年6月24日
日本の糖尿病患者は年間30万人ペースで増加しており(厚生労働省「平成19年国民健康・栄養調査」より)、予防や早期発見、迅速な治療が必要とされています。先日、日本糖尿病学会から発表された新しい糖尿病診断基準※2)では、最低1回の検査で糖尿病の確定診断ができるように基準が改定されました。
この新しい診断基準によって、これまで補助的な指標であったHbA1cが上位の検査項目に位置づけられました。これにより、中小病院やクリニックでも、血中グルコース(血糖)とともにHbA1cに対しても高精度の測定が求められることになります。しかしHbA1cやグルコースの高精度測定装置は大型であり、限られた空間の中、2台置くスペースを取ることが難しいという問題があります。
そのような問題を解決すべく開発されたのが、「アダムス™ ハイブリッド AH-8280」です。新しい糖尿病診断基準のニーズに対応できる装置です。HbA1cとグルコースを1台で同時測定でき、設置スペース約1/2(従来比)を実現しました。HbA1c(HPLC法※3))とグルコース(GOD・過酸化水素電極法※4))を高精度に測定、全血での測定が可能です。また、HbA1c測定値の国際標準化※5)にも対応できます。
糖尿病検査のパイオニアとして、アークレイはこれからも幅広いニーズに対応できる商品を提供していきます。
HbA1cとグルコースを同時測定
糖尿病検査において重要な指標である、HbA1cとグルコースを1台の装置、1本の全血検体で同時に測定。測定時間は80秒/検体、設置スペースは従来の約1/2です。
高精度測定
HbA1c測定は「HPLC法」、グルコース測定は「GOD・過酸化水素電極法」による高精度測定を同時に行います。
全血で測定可能
遠心分離などの処理が不要、測定の時間や手間を軽減します。
本装置は、積水メディカル株式会社との共同開発商品です。
※「HPLC法」と「GOD・過酸化水素電極法」によるHbA1c・グルコース測定装置に限ります(アークレイ調べ)。
※1 HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
赤血球中のヘモグロビンとブドウ糖が結びついて生成されます。過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映するため、糖尿病診断から治療までの広範囲な領域で、血糖コントロール指標として重要な検査項目に位置づけられています。
※2 新しい糖尿病診断基準
日本糖尿病学会から糖尿病の診断基準の改定が発表されました。新しい診断基準は、2010年7月1日より施行されます。従来の診断基準では、「空腹時血糖値」「随時血糖値」「経口ブドウ糖負荷試験2時間値」の検査当日の血糖値で判断しています。この3つのいずれかが基準を超えると「糖尿病型」と判定され、別の日の再検査で再度基準を満たすと「糖尿病」と診断されます。HbA1cについては補助的な判断材料とされていました。
新しい診断基準では、上記3つの血糖値に加えて、HbA1cも検査項目として追加されています。HbA1cの数値が基準を超え、3つの血糖値のうち一つでも基準を超えていれば、1回の検査で糖尿病と診断されます。過去1~2ヶ月の平均血糖値を表すHbA1cが、より重要な指標として位置づけられたことになります。最低1回の検査で糖尿病と診断することが可能となり、患者様の検査負担の軽減と早期治療開始にもつながります。
※3 HPLC法(高速液体クロマトグラフィー法)
HPLC法は、多くの成分からなる混合物を分離し各物質の比率を求める方法であり、国内のHbA1c標準測定法でも採用されています。アークレイは1981年に世界初のHPLC法を用いたHbA1c測定装置を開発し、現在も多くの診療現場で使われています。AH-8280の測定技術には、現在販売しているHPLC法のHbA1c測定装置「アダムス™ A1c HA-8180」の測定技術が応用されています。
※4 GOD・過酸化水素電極法
グルコース(血糖)は、GOD(グルコースオキシダーゼ)という酵素と反応すると、過酸化水素に分解されます。
この過酸化水素を電極により検出することで、血中のグルコース濃度を測定する方法です。
※5 HbA1c測定値の国際標準化
世界の地域ごとに異なる測定単位を標準化し、同じ診断基準を設けようとする国際的な動きです。国際学会(ADA/EASD/IFCC/IDF)の合意により2007年6月に発表された、HbA1c測定の国際標準化に関するコンセンサス・ステートメントの内容を受け、日本糖尿病学会および日本臨床化学会において、その対応方法について検討がなされています。新規HbA1c値として、日本で従来使用されているJDS値に0.4%を加算し、現在世界の多くの地域にて使用されているNGSP値に相当する値として報告することが発表されました。新規HbA1c値は、国際学会での発表や英文原著文献に対して、2010年7月1日より使用します。しかし、日常診療では、診療現場の状況をふまえ、日本糖尿病学会より改めて使用開始日が告示される予定です。
※「溶離液80A」「溶離液80B」「洗浄液80W」「カラムユニット80」の製造元:積水メディカル株式会社
この商品は「アークレイマーケティング株式会社」が販売します。
「アークレイマーケティング株式会社」はアークレイの日本国内の販売統括会社です。