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2010年10月6日
尿検査は健康状態を調べる一般的な検査のひとつです。尿中の蛋白や糖・血液の有無を分析するための尿定性検査※1)と、より詳細な結果を得るために尿中に含まれる血球や細胞などの固形物を分析する尿沈渣検査※2)の2種類に大きく分けられ、尿検査を行う分析装置は、尿定性検査用と尿沈渣検査用の2台が必要でした。
アークレイでは、検査装置の"ハイブリッド化"を進めています。糖尿病検査においては、重要な検査項目であるHbA1cとグルコースの測定を1台で可能にする装置(アダムスハイブリッドAH-8280)を開発し、既に販売しています。このたび"ハイブリッド化"の第2弾として、尿検査において主要となる尿定性検査と尿沈渣検査を1台で行える装置をシスメックスと共同開発しました。
これまでにもアークレイとシスメックスは、お客様へのソリューションの提供を目的として、両社の分析装置の搬送接続システム開発などで協業を進めてきました。今回の共同開発では、アークレイが主にハードウェア設計を担当し、シスメックスが沈渣ユニットおよびオペレーションソフト設計を担当しました。完成した尿統合分析装置により、従来の搬送システムに比べて設置面積が25%縮小し、検査結果の一覧表示等により迅速な判断が可能になります。また、1時間あたり100~200検体を全自動で分析することが可能であり、検査室業務の効率化に貢献します。
なお、販売は2010年12月より日本で開始し、各社のブランドにて順次グローバルに展開する予定です。
※1)一般的な健康診断で行われている試験紙を尿に浸して目視で確認する検査も尿定性検査にあたります。感染症(膀胱炎など)や腎機能(腎不全など)を調べることができます。
※2)尿を遠心分離し、沈殿成分量の増加や有無を調べて、腎臓などの異常の診断や病状の経過観察を行います。
本文では便宜上より一般的な言葉である「尿沈渣検査」を使用していますが、本装置での分析は、正確には「尿中有形成分分析」と呼ばれます。尿を遠心分離せずにその中の粒子を分析するもので、測定項目や臨床的意義は「尿沈渣検査」と同一です。
アークレイは、1972年に世界で初めて尿検査の自動化を成功させて以来、約40年に亘り、尿定性検査市場を牽引しています。また、シスメックスは独自の方法を用いて尿中の有形成分を全自動で分析する装置を開発・販売し、尿沈渣検査分野において世界でNo.1のシェアを有しています。
※3)尿定性検査と尿沈渣検査を同時に実施する割合にて変動
※4)尿定性検査と尿沈渣検査で関連検査項目の結果を相互にチェックする機能
※5)尿定性検査結果から尿沈渣検査のオーダーを自動的に決定する機能