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2016年6月13日
アークレイ株式会社(以下、アークレイ)は、「第16回日本抗加齢医学会総会」(2016年6月10日~12日・神奈川県横浜市)にて、「AGハーブMIX」の抗糖化と美肌作用について発表しました。
「AGハーブMIX」は「抗糖化」を目的にアークレイが開発した食品原料で、今回のヒト臨床試験においても糖化マーカーの減少が確認されたことから、抗糖化が美容効果に関与した可能性が考えられました。
なお、「AGハーブMIX」を用いたヒト臨床試験で、低用量(100mg/日)の摂取で美容効果が確認されたのは初となります。
演題名 : 混合ハーブエキスの摂取による抗糖化と美肌作用の評価
発表者 : 河合博成(アークレイ株式会社 からだサポート研究所※1)
発表日 : 6月11日(土)16:15~17:00(ポスターセッション)
アークレイは、これまで糖尿病合併症あるいは老化因子の一つとして糖化(メイラード反応)※2をとらえ、抗糖化作用を有する天然物のスクリーニングを行ってきました。そして、4種類の混合ハーブエキス(カモミール、ドクダミ、セイヨウサンザシ、ブドウ葉)に活性があることを見出し、機能性食品素材として開発・発売しました。
これまで、試験管内試験および動物試験といった基礎的な試験からヒト臨床試験まで、種々の評価を行い、抗糖化ならびにアンチエイジングに有用であることを確認しています。
このたびアークレイは、新たに美肌作用および抗糖化作用に関するヒト臨床試験を実施しました。美肌研究において、肌の黄色化や透明感の低下には皮膚蛋白のカルボニル化※3が関与し、カルボニル化と糖化は密接に関わっているという報告があります。アークレイは、中高年(40~64歳)の女性を対象として、混合ハーブエキスの有用性に関し、美容評価を中心にダブルブラインド並行群間比較試験※4(被験食群:12名、プラセボ群:12名)を行い、結果低用量の100mg/日の摂取で肌の褐色化(メラニン量指数、褐色シミ)と黄色化(色差計b*※5)が抑えられ、頬の血色(血中酸素飽和度指数)が上がるという効果を確認しました。また、糖化マーカーの3-デオキシグルコソン※5が減少したことから、糖化の抑制が肌の褐色化と黄色化の改善に関与した可能性が考えられました。
なお、本発表内容は同志社大学 生命医科学部 糖化ストレス研究センター 八木雅之教授らとの共同研究成果です。
アークレイは、今後も「AGハーブMIX」の有用性について新たなエビデンスを取得し、広く普及していきます。また、新たな機能性食品素材の研究開発を進め、人びとの健康や美容、エイジケアに貢献します。
■ AGハーブMIXに含まれる4種類のハーブ
■ AGハーブMIX 製品画像
■ AGハーブMIXに関する過去の学会発表(一例)
学会(開催年月) | 発表内容 |
---|---|
第7回日本抗加齢医学会総会 (2007年7月) |
演題: 『アンチエイジングの観点からみた、抗糖化作用を有する混合ハーブエキスの糖尿病患者に対する有用性』と『糖尿病予備群を対象としたダブルブラインド並行群間比較試験による、混合ハーブエキスの有用性評価』 内容: 糖尿病予備群に対する混合ハーブエキスの摂取試験(ダブルブラインド並行群間比較試験)等を、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター、岡山理科大学などとの共同研究にて実施いたしました。その結果、混合ハーブエキス摂取群では血中の最終糖化生成物(AGEs)の一つであるCML(カルボキシメチルリジン)の有意な低下などを確認いたしました。これにより、混合ハーブエキスの摂取が糖尿病患者のみならず血糖状態が高めの方においても、アンチエイジングの観点から有用であることを見出しました。 |
第10回日本抗加齢医学会総会 (2010年6月) |
演題: 『アンチエイジングの観点から見た、混合ハーブエキスと漢方原料からなる カプセル型食品の有用性 -継続摂取による糖化抑制-』 内容: 混合ハーブエキスと生姜、山椒を組み合わせたカプセル型食品の摂取は、皮膚中のAGEs蓄積を抑制すると共に、皮膚弾力性を改善し、自覚症状を改善したことから、アンチエイジングの観点において有用である可能性が示唆されました。 |
■ アークレイの機能性食品素材について
アークレイは、主力事業の糖尿病検査装置・診断薬の研究開発で培った技術・ノウハウを活かし、2006年より機能性食品素材事業に参入し、主にハーブや柑橘類に含まれる機能性成分について研究を進めてきました。 2006年に発売した「AGハーブMIX」は抗糖化作用があり、美容系サプリメントなどの成分としてさまざまな製品に利用されています。そのほか、シイクワシャーエキス「ビレチン」、はっさくオイルエキス「ラプテン」、温州みかん由来の「クリプトベータ」と計4種類の素材があります。
1)「からだサポート研究所」はアークレイグループにおける機能性食品素材の研究開発・販売会社です。
2)加齢や糖尿病の進行に伴って起こる糖とタンパク質との化学反応の一つで、近年、老化危険因子のひとつとしても考えられています。
3)タンパク質が糖化や酸化によってカルボニル化合物と非酵素的に反応をすることの総称です。これによって、タンパク質本来の機能が損なわれると言われています。
4)臨床試験の方法の一つです。「ダブルブラインド」とは、被験者本人も臨床試験のスタッフも被験食かプラセボ食かのどちらを摂取しているのかを伏せて試験をする方法のことです。「並行群間比較試験」とは、今回の場合、被験食群とプラセボ食群の2群に分けて同時期に一緒に臨床試験をして比較する方法のことです。非常に信頼性が高いと認められている方法です。
5)L*a*b*表色系は、物体の色を表わすのに、現在あらゆる分野で最もポピュラーに使用されている表色系で、b*の数値が大きいほど黄色が強いことを示します。
6)最終糖化生成物(AGEs)の中間体の一つで、カルボニル化の反応性が高い物質です。
河合博成 1)、所司原雅子 1)、川上宏智 1)、内藤淳子 2)、濵田梅之井 2,3) 、八木雅之 3)、大林敬二 4)
1)アークレイ株式会社・からだサポート研究所
2)エイキット株式会社生命医科学検査センター
3)同志社大学アンチエイジングリサーチセンター・糖化ストレス研究センター
4)医療法人社団大林医院
方法
被験者 : |
40歳以上65歳未満の健康的な日本人女性 (AGE Readerによる皮膚AGEs沈着量が比較的多い方) |
被験食 : | 混合ハーブエキスを含有するカプセル状食品(100mg/カプセル) |
群人数 : | 被験食群:12名、プラセボ群:12名 |
摂取期間: | 12週間 |
検査時期: | 摂取前、摂取6週後、12週後 |
検査内容: | 診察、理学的検査、血液検査、皮膚の色差、皮膚の画像診断、問診 |
図1.試験スケジュール
結果
<全例>
・上腕皮膚のメラニン量指数(図2)
・上腕皮膚の色差b*(黄色)(図3)
において、被験食群はプラセボ群と比較して有意に低下した。
・顔面皮膚の褐色のシミ(図4)
において、被験食群は摂取前と比較して12週間後が有意に低下した。
<健常者のサブグループ>(糖尿病の疑いがある2名を除く)
・3-デオキシグルコソン(図5)
において被験食群が摂取前と比較して12週間後に有意に低下した。
・頬皮膚の血中酸素飽和度指数(図6)(血色の指標の1つ) において、被験食群はプラセボ群と比較して有意に上昇した。
図2.メラニン量指数の変化(上腕皮膚)
図3.色差b*(黄色)の変化(上腕皮膚)
図4.褐色のシミの変化(顔面皮膚)
図5.3-デオキシグルコソンの変化(血中)
図6.血中酸素飽和度指数
(血色の指標の1つ)の変化(頬皮膚)
まとめ
混合ハーブエキスは皮膚色の黄色化および褐色化を抑えた。これは3-デオキシグルコソンの生成が抑えられたことによる、カルボニル化の減少の可能性が考えられた。また、血色を改善したことはハーブ成分による可能性が考えられた。