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2018年1月31日

感染症の全自動遺伝子解析装置と専用試薬の販売を開始

院内遺伝子検査の多様なニーズに対応

アークレイ株式会社(本社:京都市中京区、代表取締役 執行役員社長:松田 猛)は、2018年1月31日(水)より和光純薬工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役:小畠 伸三)が製造販売する全自動遺伝子解析装置「ミュータスワコー g1」と専用試薬を販売します。本遺伝子検査システムを用いることで、迅速・簡便に結核菌群のDNAを検出し、検査の簡便化・効率化に貢献します。

アークレイ株式会社(以下、アークレイ)が販売を開始する「ミュータスワコー g1」は、μTAS技術※1を用いて核酸増幅と分離・検出をマイクロチップ内で行う装置です。専用試薬の「ミュータスワコー MTB」「ミュータスワコー MAC」を用いて、試料中の結核菌群MTB(Mycobacterium tuberculosis complex )および非結核性抗酸菌MAC(Mycobacterium avium complex)のDNAを検出するものです。

日本における年間の結核患者発生数※2は年々減少していますが、依然として注意を要する感染症であり、 世界的に見ても、日本は結核中まん延国※3の位置づけとなっています。また、結核は二次感染を引き起こしやすく、迅速な感染対策が求められる疾患です。一方、非結核性抗酸菌感染症は年々増加傾向にあり、二次感染は起こしませんが、治療方針が結核や他の呼吸器疾患とは異なることから、鑑別が重要な疾患です。
このような背景から、結核および非結核性抗酸菌感染症における遺伝子検査には、高い特異性と感度、迅速性が求められています。

アークレイは、「遺伝子検査をもっと身近に」をコンセプトに、遺伝子解析装置「i-densy IS-5320」※4や遺伝子解析補助システム「MEQNET iDia」※5など、院内での遺伝子関連検査をサポートする製品を揃えています。
本領域でニーズの高い病原菌遺伝子検査の製品をラインアップに加えることで、検査室の遺伝子検査の多様なニーズに応えていきます。

主な特長

○迅速・全自動
前処理チューブによる約3分の殺菌処理後、核酸抽出・精製・PCR増幅・分離・検出を全自動で実施。開始後約45分で測定が終了します(ミュータスワコー MTB、ミュータスワコー MACの場合)。

○μTAS技術
マイクロチップ内でPCR増幅した産物を電気泳動で分離分析することにより目的物質を検出します。

○簡便操作
試薬・チップ・消耗品などをセット化。セットするだけで測定を開始できます。

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語句解説

※1 μTAS技術(Micro Total Analysis Systems)
半導体製造技術を用いてガラス等の基板上に100μm程度の細い流路を作成し、圧力や電気を使用して流路内の試薬やサンプルを動かし、混合、反応、分離、検出等、分析のすべてを基板上で行うシステム。反応の場が小さいために、装置の小型化、温度コントロールや反応の迅速化等多くのメリットがある分析手法です。

※2 結核の現状
厚生労働省によると、2016年中に新たに結核患者として登録された者の数は17,625人で、年々減少の傾向があるものの、新たに登録された潜在性結核感染症の患者数は7,477人で前年より802人増加しています。また、受診が遅れる(症状発現から受診までの期間が2ヵ月以上)患者の割合は19.7%、30歳~59歳の感染性のある結核患者では、2016年は33.3%の患者に受診の遅れがみられました。また、 初診から診断(登録)までの期間が1ヵ月以上の割合も、ここ数年は20%前後であり低下していません。(参照:平成28年結核登録者情報調査年報集計結果)

※3 結核中まん延国
WHOによると、結核罹患率(人口10万対)10以下を低まん延国と定めています。日本の結核罹患率は2016年に人口10万人あたり13.9人で、2020年までに10以下の達成を目指しています。

※4 遺伝子解析装置「i-densy IS-5320」
薬剤代謝に関係する遺伝子の塩基配列やがんなどの遺伝子変異を全自動で解析する装置です。高度な操作技術を要することなく、「検体の前処理」→「遺伝子増幅」→「遺伝子型判定」までを簡便に実施できます。また、検体の採取から結果出力まで数日を要した遺伝子型判定が約80分で可能となります。

※5 遺伝子解析補助システム「MEQNET iDia」
検査情報の一元管理や解析結果判定のサポート、検査報告書の自動作成など、遺伝子関連検査の煩雑な作業を補助するシステムです。

全自動遺伝子解析装置「ミュータスワコー g1」の概要

販売名 全自動遺伝子解析装置ミュータスワコー g1
発売日 2018年1月31日(水)
仕様
   分析方法 PCR-CE法
   検出方法 レーザー励起蛍光検出法
   測定方式 4検体同時測定
   測定時間 約45分(MTB・MACの場合)
   外部出力 RS232C LAN(Ethrnet)USB2.0
   寸法 683(幅)× 647(奥行)× 670(高さ)mm
   重量 約130kg
   動作環境 温度15~30℃(測定中の温度変化は2℃以内)
湿度30~80%RH(結露なきこと)
   周波数 50/60Hz
   消費電流 7A
届出番号 27B3X00024000016
販売価格 希望納入価格7,000,000円(税別)

この製品は「和光純薬工業株式会社」と「アークレイマーケティング株式会社」が併売します。
「アークレイマーケティング株式会社」はアークレイの日本国内の販売統括会社です。