What’s New

2018年7月2日

短時間・簡便測定を実現

尿中の有害金属測定システムを発売

アークレイ株式会社は、尿中有害金属自動分析装置「SillBeシルビー LB-5410」を2018年7月2日(月)に発売します。尿中の重金属(水銀※1・鉛※2)濃度を約75分で簡便に測定することができ、臨床研究等の幅広い領域でご活用いただけます。

アークレイ株式会社(以下、アークレイ)がこのたび発売する「SillBe LB-5410」は、尿中の重金属濃度を短時間で簡便に測定するシステムです。

重金属のなかには体内に少しずつ蓄積され、慢性的な健康被害をもたらす有害なものがあります。なかでも水銀と鉛は日常生活で体内へ取りこまれる頻度が高く、蓄積量も多いことが知られています。
これら重金属の蓄積量は、毛髪・皮膚・尿・爪などを試料に定量測定が可能ですが、キレート剤※3投与後の蓄尿を用いた測定は、個人の排泄能力の差に影響を受けず評価に適しているといわれています。
しかし、現状では海外の分析機関に委託し測定する必要があり、検体の送付から結果の取得まで2~3週間を要するという課題もありました。

このような背景を鑑みアークレイは、簡易に尿中の重金属(水銀・鉛)を測定するシステム「SillBe LB-5410」を開発しました。微量の金属を高感度に検出するプラズマ発光分析法※4を用い、水銀と鉛に特異的なスペクトルを解析・定量化します。検体を入れた専用試薬を装置にセットするだけで、全自動・短時間(約75分)で測定できるため従来と比較して大幅に時間を短縮できます。

今回日本市場で先行発売し、今後米国をはじめとする世界各国での展開を目指します。アークレイは、これからも基盤技術を活かして製品ラインアップを充実させ、ヘルスケアやアンチエイジング分野などの新たな領域へ挑戦していきます。

製品の特長

○複数項目を簡便測定
前処理なしの検体と試薬パックを装置にセットするだけで、尿中の重金属(水銀・鉛)濃度を測定できます。

○短時間(約75分)で測定可能
1検体あたり約75分の測定が可能。結果取得までに2~3週間を要していた海外での分析・評価と比較して大幅に時間を短縮できます。

○コンパクト設計
卓上型の小型装置で、置き場所を選びません。

LB-5410.jpg

SillBe LB-5410

※本装置・試薬は研究用であり、疾病の診断もしくはその補助の目的で使用することはできません。

語句解説

※1 小魚を主食とするマグロや深海魚、歯科材料であるアマルガムなどに含まれ、主な症状として皮膚炎や神経障害、うつ傾向や食欲不振との関連性が指摘されています。

※2 タバコ、水道水、排気ガスや染髪料などに含まれており、貧血や頭痛、動脈硬化や腎機能・肝機能の低下に関連性が否定できないとされています。

※3 水銀や鉛などのさまざまな金属イオンを包み込むような形で結合し、錯体という安定な構造を形成する物質です。医療領域では、重金属の急性曝露時の解毒薬として使用される他、近年ではヘルスケアやアンチエイジング分野においても活用されています。

※4 検体中の金属を電極部に集め高電圧をかけ、金属をプラズマ化し発光させます。発光スペクトルは金属ごとに異なるため、水銀と鉛に特異的なスペクトルを解析・定量化します。

尿中有害金属自動分析装置「SillBe LB-5410」の概要

名称 尿中有害金属自動分析装置 SillBe LB-5410
発売日 2018年7月2日(月)
仕様
   測定対象 蓄尿
   測定項目 水銀 (Hg) 、鉛 (Pb)
   測定原理 プラズマ原子発光法
   測定時間 約75分/検体
   必要検体量 1~1.5mL
   専用試薬 SillBe Kit Hg, Pb
   データ記憶量 100測定分
   測定環境条件 温度10~30℃ 湿度25~70%RH(非結露)
   電源電圧 AC100~240V、50/60Hz
   外形寸法 装置:320(幅)× 400(奥行)×430(高さ) mm
   消費電力 250VA以下
   重量 約25 kg

この製品は「アークレイマーケティング株式会社」が販売します。
「アークレイマーケティング株式会社」はアークレイの日本国内の販売統括会社です。