What’s New

2014年1月20日

変異ヘモグロビン検出やサラセミア検査など新たなニーズにも対応
糖尿病検査装置のラインアップを拡充

アークレイ株式会社は、グリコヘモグロビン分析装置「アダムス A1cエーワンシー HA-8180V」 「アダムス A1cエーワンシー HA-8180T」を1月24日に日本国内で新たに発売します。
変異ヘモグロビン※1 の検出やβサラセミア※2 のスクリーニング検査など、糖尿病検査現場における新たなニーズに応えます。

糖尿病検査の検査項目のうち、過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映するマーカーであるヘモグロビンA1c(ヘモグロビンエーワンシー:以下、HbA1c)の値は、糖尿病診断や治療において、重要な指標と位置づけられています。したがって糖尿病検査の現場では、HbA1cの正確なデータを即時に測定することが求められ、HbA1cを高精度で迅速に測定できるグリコヘモグロビン分析装置で検査が行われています。
さらに近年の国際化の進展に伴い、日本国内においてもHbA1c測定値に影響を与える変異ヘモグロビンが検出される患者さまやサラセミアの患者さまが増えており、院内での変異ヘモグロビン検出のニーズも高まってきています。

このたびアークレイが発売する2つのグリコヘモグロビン分析装置 「アダムス A1c HA-8180V」「アダムス A1c HA-8180T」は、当社ADAMSシリーズが持つ、HbA1cを高精度で測定できる基本性能をベースに、頻度の高い一部の変異ヘモグロビンを分離(検出)する機能を付加しています。変異ヘモグロビンを分離することで、新たな検査ニーズに対応すると同時に、より正確なHbA1cの測定結果を得ることができます。従来から変異ヘモグロビンの患者さまが多く存在する海外で先行販売をしてまいりましたが、日本国内でのニーズの高まりに応え、発売することとなりました。

アークレイは、1981年に全自動のHbA1cの測定装置を開発・発売以来、HbA1c検査の普及を促進し、糖尿病検査の新時代を切り拓いてきました。糖尿病検査のパイオニア企業として、これからも幅広いニーズに対応できる製品を提供し、医療現場に貢献します。

20140120.jpg

製品の主な特長

○2つのモードで糖尿病検査の新しいニーズに効率よく対応 (アダムス A1c HA-8180V)
「Variant mode」では、HbA1cとHbFの測定に加え、変異ヘモグロビンであるHbSとHbC※1 の検出を90秒で実施できます。また、変異ヘモグロビンの検出が不要な場合は、HbA1cを48秒で測定できる「Fast mode」に切り替えることにより、効率的に検査を行うことができます。

○βサラセミアのスクリーニングにも対応 (アダムス A1c HA-8180T)
HbA1cとHbFの測定に加え、HbA2を測定することができ、βサラセミアのスクリーニング検査にも対応します。さらに、HbS、HbC、HbE、HbD※1 を検出できるので、より正確な測定結果を得ることができます。

○高精度&高速測定
従来のADAMSシリーズが持つ、HPLC法※3によるHbA1cの高精度測定をベースとしており、HbA1cの測定から変異ヘモグロビンの検出までを高い精度で実施できます。HA-8180V(Variant mode)では90秒、HA-8180Tでは210秒の高速測定です。

○イージーメンテナンス
工具をほとんど使うことなく簡単に消耗品の交換ができます。また、カラムとプレフィルタを一体化しているため、プレフィルタの交換が不要です。


語句解説

※1 変異ヘモグロビン

遺伝子変異により赤血球中に存在するヘモグロビンのアミノ酸の置換が生じ、ヘモグロビンの立体構造が変化したものです。変異ヘモグロビンの種類は数多く存在しますが、その中でよく知られているものに「HbS」「HbC」「HbE」「HbD」が挙げられます。

※2 βサラセミア

ヘモグロビンの構成成分であるβ鎖の産生不良が原因となり発生する先天性疾患です。
βサラセミアではHbA2またはHbFが増加することが知られています。

※3 HPLC法(高速液体クロマトグラフィー法)

HPLC法は、多くの成分からなる混合物を分離し各物質の比率を求める方法であり、アークレイは1981年に世界初 のHPLC法を用いたHbA1c専用測定装置を開発し、現在も多くの診療現場で使われています。最新機種「アダムス A1c HA-8181」は、HPLC法による高精度な測定を、1検体あたり38秒という速さで実現しています。


グリコヘモグロビン分析装置「アダムス A1c HA-8180V」 製品概要

1.名称 アダムス TM A1c HA-8180V
2.発売日 2014年1月24日(金)
3.仕様  
    測定原理 逆相分配陽イオン交換クロマトグラフィー
    測定対象 全血または溶血検体
    測定項目 HbA1c(ステイブルHbA1c)、HbF
(Variant modeではHbS、HbCを検出可能)
    測定範囲 HbA1c:3~20%、HbF:0~100%
    使用試薬 溶離液80A、溶離液80B、ELUENT 80CV、溶血・洗浄液80H 
    使用カラム COLUMN UNIT 80 
    処理速度 Variant mode:90秒/テスト Fast mode:48秒/テスト
    電源 AC100V~240V
    外形寸法 530mm(幅)×530mm(奥行)×530mm(高さ)
    重量 ①本体:約39kg ②サンプラーユニット:約4kg
4.販売価格 8,085,000円(税込)

グリコヘモグロビン分析装置「アダムス A1c HA-8180T」製品概要

1.名称 アダムス TM A1c HA-8180T
2.発売日 2014年1月24日(金)
3.仕様  
    測定原理 逆相分配陽イオン交換クロマトグラフィー
    測定対象 全血または溶血検体
    測定項目 HbA1c(ステイブルHbA1c)、HbA2、HbF (HbS、HbC、HbD、HbEを検出可能)
    測定範囲 HbA1c:3~20%、HbA2:2~10%、HbF:0~100%
    使用試薬 溶離液80A、溶離液80B、ELUENT 80CT、溶血・洗浄液80H 
    使用カラム COLUMN UNIT 80T 
    処理速度 210秒/テスト
    電源 AC100V~240V
    外形寸法 530mm(幅)×530mm(奥行)×530mm(高さ)
    重量 ①本体:約39kg ②サンプラーユニット:約4kg
4.販売価格 8,085,000円(税込)

※カラムユニットと試薬の製造元:積水メディカル株式会社

この製品は「アークレイマーケティング株式会社」が提供します。
「アークレイマーケティング株式会社」はアークレイの日本国内の販売統括会社です。